長寿化と家族の少人数化で、二世帯住宅は身近な存在に
日本人の平均寿命は、この30年間で男性が約7年、女性で約9年延びている。また少子高齢化や核家族化の影響で、5人以上の世帯が減少。一方で高齢単身者や夫婦のみの世帯が増加を続けている。そんななか、厚生労働省の「社会保障等に関する意識調査」(2000年)によれば、当時65歳以上の男女の56%が子供との同居を希望。長寿化と家族の少人数化が顕著になった今、二世帯住宅は多くの人にとって身近な生活スタイルになりつつある。
少人数の二世帯が増加、娘夫婦同居も検討材料に
本企画で参考にしたアンケートの対象者は、旭化成のへーベルハウス居住者。現在、親または子世帯と同居している人のほか、過去に同居していた人、そして将来に同居の可能性がある人が含まれている。二世帯同居の最大の理由を見てみると、「親の老後に備えて」という声が多く、次に「育児のサポート」が挙がる。
近年の二世帯住宅は、少人数の家族構成が特徴的。本調査では片親と同居する世帯が43%を占め、4人以下の少人数の二世帯同居も28%を占めている。また、長男との同居が当たり前だった風潮も薄れ、息子夫婦同居や娘夫婦同居が対等な検討材料に。娘夫婦同居は親世帯との融合を望む割合が高く、交流が盛んな傾向にある(図1)。
夕食をともにするかで、同居スタイルが分かる
そして同居家族の過ごし方に大きく影響を与えるのが、「親世帯と子世帯が夕食をともにするか」という点だ。アンケートでは、片親や少人数での同居の場合、夕食をともにするケースが多かった。
また夕食をともにするかは、同居生活の志向にも重なっている。例えば夕食を親と別で摂る世帯では、同居生活のすべてを別にしている割合が高く、逆に夕食をともに摂る世帯は、同居生活を基本的に一緒にする人が多い(図2)。
二世帯住宅といっても、玄関・キッチン・浴室すべてを2つ用意する「独立二世帯」や、玄関のみひとつにしてその他は別々にする「共用二世帯」、玄関や浴室は同じで共有キッチンとサブキッチンを用意する「融合二世帯」などさまざま。まずは夕食の摂り方から、自らにふさわしい二世帯を見極めてみるのも手だ。夕食が別々なら独立二世帯や共用二世帯を、一緒なら融合二世帯を考えてみたい。
ポイントをおさえて、快適な二世帯住宅を
二世帯の夕食が別々なら、各世帯のプライバシーが確保されることが基本となる。しかし育児の協力は世帯が分離されていても可能だが、高齢者の介護がある場合は両世帯が外に出ることなく行き来できるのが望ましい。そこで世帯間の建具に両面錠をつけ、プライバシーを調整するのがおすすめ。また独立二世帯を建てるなら、将来的に賃貸にする可能性も考慮しておきたい。
夕食を一緒に摂る場合は両世帯が共同で使う部分は多くなるが、各世帯で用事が済ませられるよう、随所に専用スペースを用意するとよいだろう。サブキッチンを設ければ、介護サービスを導入する際に子世帯の日常生活への影響も少ない。通用口を作れば、ヘルパーの訪問介護もスムーズだ。
◇ ◇ ◇
画一的だった二世帯住宅は多様化し、各住宅メーカーも多彩なプランでニーズに応えている。ノウハウを持ったメーカーに足を運び、相談することから始めてみるのもいいだろう。
|
 |
|